ところで、前シナプスから神経伝達物質が放出されるには、前シナプスにある「C a2+チャネル」が開いて、外からシナプス内にカルシウムイオンが流出しなければなりません。
カルシウムイオンがシナプス内に入って、初めて神経伝達物質が放出されます。
カルシウムの摂取不足は、カルシウムパラドックスによって細胞内のカルシウム濃度が高くなります。
C a2チャネルはカルシウム濃度勾配によってカルシウムイオンが移動する(水が高いところから低いところに流れるのと同じです)ので、細胞内(シナプス内)のカルシウム濃度が高いと、外からシナプス内へのカルシウムイオンの流出速度が遅くなり、それに伴い神経伝達物質の放出が遅くなってしまいます。
その結果、脳内での情報の流れが滞ってしまいます。
もちろん、カルシウム不足が過ぎると骨粗鬆症から寝たきりとなって認知症のリスクが高くなることもわかっています。
ということで、健脳の第一歩は、カルシウム不足にならないことです。